『妻が口をきいてくれません』離婚危機の本当の原因と夫婦の生き地獄

こんにちは。

ゆりです。

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

あなたは「妻が口をきいてくれません」という漫画をご存知ですか?

作者の野原広子さんは、この作品で「第25回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞されました。

タイトルも衝撃的ですが、帯の言葉も衝撃ですよね。

「離婚よりも、生き地獄」

なんと5年間にも渡り妻がまったく口をきいてくれない状況は、まさに「生き地獄」でしょう。

 

そして夫には、口をきいてくれない理由すらわからない。

妻はその理由を語ろうともしない。

 

始まりはほんの小さなほころびだったすれ違いが、生き地獄にまで進んでしまった背景にはいったい何があったのでしょうか。

 

今回はこの漫画をご紹介しながら、夫婦のコミュニケーションのすれ違いが生んでしまった「生き地獄」についてお伝えいたします。

(※内容のネタバレがありますのでご注意ください)

 

「妻が口をきいてくれません」離婚の原因とあらすじ

引用:野原広子アメブロ

まずは「妻が口をきいてくれません」のあらすじをご紹介しましょう。

 

主人公一家は夫婦と子ども二人の四人家族。

夫(誠)は会社員、妻(美咲)は専業主婦(のちにパート)のごく普通の家庭です。

 

漫画は3つの章で成り立っています。

  1. 夫側から見た状況
  2. 妻側から見た状況
  3. 夫婦の状況

ひとつずつ見ていきましょう。

 

夫・誠の章

ある日誠は、美咲がもう3日も口をきいてくれないことに気付きましたが、まったく思い当たる理由がありません。

しかもお弁当は変わらず作ってくれています。

 

もう3日目だし、そろそろ怒っているのにも飽きて仲直りしてくれるころだよな。
しょうがない、オレが折れるか。なに怒っているのか理由はわからないけど、とりあえずオレが謝ればいいんだ。

引用:「妻が口をきいてくれません」著:野原広子/集英社(以下引用同じ)

そう軽く考えて謝ってみましたが、美咲は無視。

事態は何もよくなりませんでした。

会社の女性の先輩「丸山さん」に相談して、花やケーキを買ってみたり、そっと手を握ってみたりしましたが…

 

「殺されるかもと思った」というくらい睨まれて終了でした。

 

もうしばらくほっておこう。
そのうちなんとかなるだろう。

 

でもまったくなんともならないまま、時間だけが過ぎました。

 

やがて口をきいてくれなくなって3ヵ月。

少しでもご機嫌をとろうと家事を手伝ってもみたけれど、必要最小限の会話以外は完全無視。

家に居場所のない状態がずっと続いています。

 

家に帰るのが恐い。妻に無視されるのが恐い。でも頑張って家に帰る。
家に帰るのに頑張るってなんだ?
だって妻のことも子どもたちのことも家のことも愛しているから。(中略)

こんなに人がいるのに誰にも言えない。
かっこ悪くて
悲しくて。

…なんと、そのまま5年の月日が流れました。

子どもたちも成長し、父親を疎ましく思う年頃となり、誠はますます家で孤立していました。

 

そんな時、先輩「丸山さん」が離婚して「伊東さん」になりました。
仲のいい夫婦だと思っていた誠はびっくりしますが、彼女からさらに衝撃的な一言を聞きます。

 

「私、地獄に住んでたんだよ。
私、地獄から脱出してきたんだよ。」

丸山さん夫婦はもうずっと口をきいていなくて、喧嘩すらもない状態でした。

そう、誠と同じような状況だったわけです。

それを「地獄」と感じながらも、彼女はずっと耐えてきました。

そして子どもが成人し、自分も50歳になったことをきっかけに離婚を決意したのでした。

 

その言葉を聞いた誠も、家族が寝静まった真っ暗な家でひとり思います。

 

ああそうか。オレは丸山さんの(今は伊東さん)言ってたところにいるのか。

地獄。

生き地獄。

 

妻・美咲の章

幼い子どもを2人抱えた美咲はいつも寝不足。

毎日、精一杯家事を頑張っているが、夫の誠は「そんなのは主婦だから当たり前」と、家のことに無関心。

 

美咲は誠の言動にイラっとすることが増えていきます。

  • 子どものぐずりがひどくて食事が作れず、仕方なくレンチンしたご飯に文句を言う。
  • 「まだこれ洗ってないの?」「なんでここは掃除してないの?」指摘ばかりで自分は何もしない。
  • 子ども用に作った甘いカレーに「これって愛があるの?」
  • 体調不良で寝ている美咲に「オレ明日は仕事だからそれまでによくなってよ」
  • 「家にいる人は気楽でいいよなあ」

そしてひとこと。

「だらしないなあ」

 

美咲の小さなイライラはどんどん溜まっていきます。

洗濯してご飯作って、家の中片付けて掃除して、子どもたちの相手をして風呂を洗って沸かして。子どもたち寝かしつけて。
精一杯やっているのに感謝もされず否定ばかりされる。
なんだこれ?悲しい。

私なんでこの人と結婚したんだっけ?

雷の鳴りそうな休日、休む間もなく家事をしている美咲は、家でごろごろしている夫につい声を荒げます。

すると誠は逆切れして捨てセリフを残し、パチンコ屋へ出かけてしまいました。

 

その夫の背中に、美咲は思います。

 

「雷に打たれて死ね」

 

そして「あの日」がやってきます。

誠には記憶にもないような出来事でしたが、「あの日」美咲の心が壊れました。

 

それは小さく静かに プツリと私の中で 何かが切れた。
「もう夫とは口をきかない」とそう決めた。

そして私は無になった。もうあきらめた。期待などしない。ただ役割をこなすだけ。

夫妻の章

「離婚しよう」

無視されることに耐えられず、意を決してそう伝えた誠に、美咲は自分でも意外な返答をしてしまいます。

 

…私はまだ好きなのに?

言われた誠はもちろん、言った美咲もびっくりして固まり、そこで離婚の話は終わってしまいます。

 

丸山さん(今は伊東さん)に相談すると「まだきっと愛は残っているんだよ」と励まされ動揺しますが、でも5年間苦しんだ誠の気持ちは変わりません。

 

たとえ愛が残っていようと もうそんなことどうでもいい。

オレも自由になるんだ。この地獄から抜け出すんだ!

それでも美咲になかなか言い出せなかった誠は、反抗期の娘にカチンときて、思わず娘相手に言ってしまいます。

 

パパはもう離婚する。もうママとはやっていけない。
5年も口をきいてくれないなんて、ママはひどすぎる。

 

すると娘はひとこと
「違う」

と言います。

 

違うよ、ママはずっといてくれたんだよ。
ママは「あの日」、私が小学生になるちょっと前の頃。

「もうママはムリだ。パパと離婚する」

泣きながらそういうママにお願いしたの。

 

やだよ!リコンしないで!

パパと口をきかなくていいからリコンしないでよぉ
私とユウが大きくなるまでリコンしないで!

だから…ママはいてくれたんだよ。

でももう私も悠人も大きくなったから。
大丈夫だよ。
離婚していいよ。

 

娘にこんなことを言わせてしまったショックに誠は打ちひしがれます。

 

「オレはすでに5年前に終わっていたんだ…」

 

夫婦の生き地獄の原因はコミュニケーションの欠如

引用:野原広子アメブロ

 

美咲の「あの日」がなんだったのかは、ここではお伝えしません。

しかし、この夫妻のすれ違いに、自分も思い当たることがある方も多いのではないでしょうか。

 

「あの日」も、そこに至るまでの日々も、

すべてはふたりのコミュニケーションが成立していなかった結果です。

 

美咲のなかでは、誠の言動すべてが「モラハラ」でした。

モラハラは、やっている方にそのつもりがなくても、された側が「モラハラだ」と感じたら、それは確実にモラハラです。

美咲は誠の何気ない一挙手一投足に深く傷つき、
心を閉ざすまでになったのです。

 

しかし、美咲自身もそれをきちんと言葉で伝えるべきでした。

自分が何に怒り、何に傷つき、そして誠にどうして欲しいのか。

 

言ったつもり。
伝えたつもり。

「つもり」なんてなんの意味もないのに、2人はそれを知ろうとはしませんでした。

 

夫婦だから言わなくてもわかる、
なんていうことは何もありません。

むしろ、夫婦だからこそ口に出して言わないとわからないことがたくさんあります。

元は赤の他人同士だった二人が、一つの家庭を作り、家族として一生を暮らしていくためには、お互いの努力と思いやりがないと、絶対に成り立たないのです。

 

甘えて寄りかかりあうだけの関係は夫婦ではありません。

ましてや家族でもありません。

 

 

夫婦のコミュニケーションの大切さは、ぜひこちらの記事も参考にしてください。

離婚回避のための心理学的考察 あなたの言葉は妻に伝わっていない

 

また、誠はコミュニケーションをとることを途中で諦めて放棄してしまいましたが、口をきいてくれないのなら、手紙で思いを伝える方法もありました。

コミュニケーションの方法はひとつだけではないのです。

離婚回避したい!必ず気持ちが伝わる別居中の妻への手紙の書き方

 

「妻が口をきいてくれません」離婚危機の本当の原因と夫婦の生き地獄とは

今回は、漫画「妻が口をきいてくれません」を題材にして、夫婦のコミュニケーションのあり方についてお伝えしました。

 

夫婦だからこそ、
照れ臭かったり、恥ずかかったりで、
本心を言えないこともあるでしょう。

でもどんな状況であろうとも

「ありがとう」

このひとことをちゃんと言い合える関係でないと、信頼関係はあっという間に崩れてしまいます。

 

誠自身も無視される日々の中で、ふと気づきます。

 

妻の怒りの理由はわからないけれど

あいさつとお礼は言おう
そうすればそのうち
怒りも収まるだろう

…あれ?
そういえばオレ
このごろあいつにお礼なんて言ったことなかったかも

そんなことにも気付かないまま放置していれば

残るのは「生き地獄」の毎日です。

 

夫婦は元は赤の他人。

だからこそ、常に感謝の気持ちが必要なのです。

 

まずは、パートナーに「ありがとう」

このひとことから始めてみませんか?

 

終盤、自分の本心に気付いた誠の「思いがけない行動」によって、美咲の心は雪解けを向かえますが、

しかし最後の最後は、いろいろな解釈ができる終わり方になっています。

 

これをどう感じるかはあなた次第です。

興味を持たれた方はぜひご一読ください。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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