養育費の公正証書作成は男性側にどんなメリットがあるのか?

 

こんにちは。ゆりです。

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

養育費に関して前回は、一度決まった養育費を減額する手順や条件についてお伝えしました。

養育費を減額したい場合はどうするのか?手順と4つの条件とは

 

離婚についてインターネットで調べていると、必ずと言っていいほど目にするのが「公正証書」という言葉です。

法律の専門家が開設しているサイトなどで「協議離婚の場合は公正証書を作成しておきましょう」という内容の文章をよく見ませんか?

これは公正証書という書類には、法的に高い証明力があるからです。

 

でも、調べていくと男性のあなたは疑問に思うでしょう。

 

「公正証書ってなに?」

「公正証書って、本当に作った方がいいの?」

 

そこで今回は、養育費の公正証書作成について男性目線で考えてみたいと思います。

 

この記事を読むと、あなたは次のことが分かります。

  • 公正証書とは何か?
  • 養育費の公正証書作成は男性側にメリットがあるのか?
  • 公正証書を作成しなければならない場合に注意することは何か?
  • 公正証書の作成にはいくらかかるのか?

 

公正証書とは何か?

まずは公正証書とは何か?ということについて簡単に押さえておきましょう。

 

公正証書は、法律の専門家である公証人が法律に従って作成する契約書のことです。

公証人は、元判事や元検事など法律の実務経験者(国家公務員)で公正で中立な立場を保持しています。

(同じ法律の専門家でも、依頼者の利益を守る弁護士とは違う立場ですね)

 

離婚する時には、財産をどうするかなど夫婦で様々なことを取り決める必要があります。

裁判所を利用せず夫婦の話し合いだけで離婚する(協議離婚)時に、取り決め内容を書面にすることがあります。

この書類を離婚協議書と言いますが、さらに法律的な証明力をを持たせるために作成されるのが「公正証書」です。

 

公正証書のポイントは2つあります。

  1. 高い信頼性
  2. 強制執行できる

細かく見ていきましょう。

 

高い信頼性

公正証書は当事者同士が合意しないと作れません。

また、公正証書は内容が法律的に有効かどうかを確認しながら作成され、完成した公正証書の原本は公証役場に保管されるため「偽造」ができない仕組みになっています。

このように作られた公正証書には、高い信頼性があります。

 

離婚には様々な条件があり、養育費や慰謝料、財産分与などお金がついて回ることが多いです。

これらのことを公正証書にすると離婚に関する約束事が公文書となり、後々のトラブルを未然に防ぐ抑止力になります。

例えば、離婚時にパートナーから「慰謝料は一切要らない」と言われていたのに、離婚後に気が変わり慰謝料を請求されるケースがあります。

この場合、離婚時に「慰謝料は請求しない」と盛り込んだ公正証書を作成しておけば、離婚後に慰謝料を請求されることなく安心して過ごせます。

 

強制執行できる

公正証書には、裁判所の決定を待たずに強制執行できる特別な機能があります。

例えば、公正証書に毎月の養育費を定めていたとして支払う側が滞納した場合、給与などの財産を差し押さえることができます。

養育費の強制執行に関しては、こちらに詳しく書いています。

養育費を払わないとどうなる?給与差し押さえのリスクを知る

 

私もそうですが、パートナーはあなたから養育費が支払われなくなることを不安に思っています。(今のあなたにはそんなつもりはないとは思いますが)

私はあらゆることを想定しすごく悩んだ結果、離婚を決断しました。

今は幸せですが、この先の不安がないと言えば嘘になります。

離婚協議書を公正証書にしておけば債務名義となるので、不払いが発生すれば裁判所の命令を待たずに強制執行ができ養育費を回収しやすくなります。

パートナーが公正証書を作成して、養育費が滞った際に確実に得られるように考えるのはその不安をぬぐうひとつの手段なのです。

 

上記の記事をお読みになった方ならお分かりでしょうが、養育費を支払う立場のあなたが公正証書を考えた場合「滞納すると何の前触れもなくいきなり給与が差し押さえられる可能性がある」のでちょっと恐ろしく感じますよね。

子どものために養育費は支払うと覚悟している人でも、将来の収入が安定しているかどうかは不透明でしょうから不安になる気持ちは理解できます。

では養育費を支払う側にとって、公正証書を作るメリットはあるのでしょうか。

 

養育費を支払う側が公正証書を作るメリットとは?

結論を先に申し上げます。

養育費を支払う側が公正証書を作るメリットは、一般的にはありません。

ただし、あなたがパートナーにどうしても守ってもらいたいことがあって、それを記載できるなら話は変わってきます。

つまり、守ってもらいたいことがある人は公正証書を作るメリットがありますし、守ってもらいたいことがない人にメリットはありません。

先ほどお伝えしましたが、例えばパートナーから「慰謝料は請求しない」との約束を取り付けたとして、そのことを公正証書に記載できるのなら、有責配偶者のあなたにとってはメリットがあると言えますね。

 

公正証書には強制執行できる機能がありますから、養育費を支払う立場としては作成しない方が精神的負担が少ないでしょう。

もし離婚することになってしまったとしても、あなたから「公正証書」の言葉は口にしない方が無難だと思います。

離婚時に必ず公正証書を作成しなければいけないわけではないからです。

パートナーと離婚後に全く連絡を取る必要がないのであれば公正証書は不要でしょう。

 

しかし、子どもがいる場合はそうはいきません。

パートナーから公正証書を作りたいと主張される可能性は十分にあります。

あなたは離婚回避したいのですから「僕は離婚したくないから公正証書には同意しない」「公正証書を作るなら離婚には応じない」と主張できなくはありません。

しかし、彼女からの信頼を失ったままで主張しても、あなたの「離婚したくない」という気持ちは伝わらないでしょう。

それどころか溝が深まるかもしれません。

パートナー

養育費を払いたくないだけじゃないの?

と、思われてしまうだけです。

話の仕方を間違えてパートナーを不用意に怒らせてしまい、調停を申し立てられてしまうかもしれません。

裁判までもつれれば、浮気したあなたは離婚を拒否できません。

離婚調停について詳しくはこちらにまとめてあります。

離婚裁判についてはこちらです。ぜひ参考にしてください。

 

あなたは弱い立場ですから、公正証書を作らざるを得ないかもしれません。

公正証書は離婚に関するすべての条件を記載する必要はなく、例えば子どもに関する取り決めだけを公正証書にすることもできます。

パートナーから「養育費に特化した公正証書を作りたい」と言われたら、あなたとしては断りにくいですよね。

 

あなたにとっては離婚回避もできず、公正証書も拒否できない最悪の状況ですが、どうしても公正証書を作らなくてはならないなら、納得できないことには安易に同意しないように注意しましょう。

パートナーから「養育費とは別に慰謝料1,000万円、家と車を譲渡して」と要求されたとして、あなたが納得できるなら公正証書にしても問題ありません。

でも相手からの法外な要求に「自分が浮気したから仕方がない」と無理に納得したふりをして公正証書にしてしまったら、たとえ相場とはかけ離れた内容だとしても守るしかなくなってしまいます。

 

もしどうしても公正証書を作らなくてはいけないなら、あなたの最後の希望を主張してもいいと思います。

私が想定している「あなたの最後の希望」は、子どもとの面会交流です。

 

子供との面会を叶えるために

離婚した男性が後悔することのひとつとして、子どもに会えないことが挙げられます。

「子どもに何年も会えずに養育費だけを毎月支払う」なんて事態に陥ることは避けたいですよね。

 

「養育費」と「面会交流」はどちらも子どもの幸せのために必要なもので、法律的には独立しています。

しかしパートナーとの話し合いの段階では、切っても切れない密接な関係があると思っています。

 

離婚の原因があなたの浮気だったとしても、子どもも父親も希望しているのに何年も会えないのは子どもにとっていい環境とは言えません。

(もちろんあなたが暴力など子どもに悪影響を与えない人であることは大前提です)

子どもには「父親からも愛されている」と感じて育って欲しいですよね。

あなたとパートナーとの間に感情的な対立があるのは仕方がありませんが、その対立にできるだけ子どもを巻き込まないようにする必要があります。

 

公正証書を求めてくる母親の中には、養育費や慰謝料など自分の要求ばかりを押し付けて、子どもには一切会わせないと主張する人もいるかもしれません。

あなたに浮気されたパートナーの気持ちを私は痛いほど理解できますが、だとしてもこの考えは間違いです。

同じ女性として考えたくはありませんが、あなたのことをまるでATMのように扱うようであれば、面会交流が実施されなかった場合の対応を盛り込むことを考えてもいいかもしれません。

 

パートナーが「父親と子どもとの面会は実施しない」「養育費の支払いが滞ったら面会交流は中止する」などと公正証書に書きたいと思っても、法律に反しますので公証人のチェックでそのような文言は書けない仕組みになっています。

公正証書は、どちらか一方に有利な条件を押し付けるだけの書類ではありません。

双方の合意がなければ作ることはできない、つまり「合意の証」です。

 

ただし公正証書は、養育費のようにお金に関することには強制執行ができる絶大な力を発揮しますが、面会交流のようにお金に関連しないことは強制執行ができません。

そのため「公正証書にしても意味がない」と考える人もいます。

法律に守ってもらおうと考えているなら、確かにそうかもしれません。

しかし私は、意味があると思っています。

法律が完璧でないからこそ、面会交流の実現にはパートナーの理解が欠かせないからです。

 

公正証書を作成する場合には、事前に話し合って原案を作る作業が一番重要になります。

私たちは少しでも自分が有利になるように主張したくなるものですが、本来は子どものことを第一に考えるべきです。

面会交流は「離れて暮らす親の権利」という考えも否定しませんが、それよりも「子どもの権利」であり「親の義務」と考える方が正しいのではないかと思います。

養育費を「母親ではなく子どものために支払うお金」と考えるのと同じです。

面会交流は「子どもの健全な成長のために必要なこと」です。

 

父母が面会交流について認識を一致させ、養育費と同じくらい重要事項として公正証書に記載するのは十分に意味があります。

パートナーの理解を得られた証拠になるからです。

「両親から子どもへの愛の証」と言えるかもしれません。

 

公正証書作成の費用は?

公正証書を作るには費用がかかります。

この費用(手数料)は国によって定められていて、公証役場の賃料や公証人の給料などに使われているそうです。

 

公正証書の作成にかかる基本手数料は、支払う金額(相手からすれば得られる金額)によって変わってきます。

養育費は支払い期間が20年近くなる場合がありますが、最長でも10年分までと決まっています。

日本公証人連合会によると、手数料は以下の通りです。

目的の価額 手数料
100万円以下 5000円
100万円を超え200万円以下 7000円
200万円を超え500万円以下 11000円
500万円を超え1000万円以下 17000円
1000万円を超え3000万円以下 23000円
3000万円を超え5000万円以下 29000円
5000万円を超え1億円以下 43000円
1億円を超え3億円以下 4万3000円に超過額5000万円までごとに1万3000円を加算した額
3億円を超え10億円以下 9万5000円に超過額5000万円までごとに1万1000円を加算した額
10億円を超える場合 24万9000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算した額

 

例えば養育費が月4万として15年支払う場合は、

月4万円 × 12ヶ月 × 10年(最長10年のため) = 480万円

ですから、公正証書作成手数料は11,000円になります。

それ以外に用紙代や交付送達費用として数千円が必要になる場合があります。

 

交付送達費用とは

送達とは、お金を支払う義務のある人に対して公正証書を送ることを言います。
この手続きを行わないと強制執行はできませんが、公正証書作成時に必ず手続きする必要はなく、のちに強制執行する時に手続きしてもよいことになっています。

(公正証書が完成すると当事者双方に謄本が渡されますが、それとは別に必要な手続きです)
送達には「郵送(特別送達)」と、公証人が手渡しする「交付送達」の2つの方法があり、交付送達費用は後者の費用に該当します。

 

公正証書を作成すると決めたら、その作成費用をどちらが負担するかも決める必要があります。

パートナーとよく話し合って決めるべきですが、公正証書の内容によってはパートナーに負担してもらってもいいように感じます。

公正証書はどちらか一方に加担したものではありませんが、守られなかった場合のペナルティ(強制執行)は同等とは言い難いと思うからです。

「養育費」は強制執行可能ですが、「面会交流」にそこまでの強制力はありません。

 

離婚回避したいあなたは積極的に公正証書を作りたいわけではなく、相手の求めに応じた形でしょう。

公正証書作成の費用負担について考える段階まで来ているということは、パートナーと深く話し合っていると想像できます。

費用を負担してもらうことも理解してもらいやすいのではないでしょうか。

逆に「慰謝料は請求しない」など金銭的なことでパートナーに譲歩してもらっているなら、あなたが負担、または折半してもいいかもしれません。

 

公正証書と父親の責任

 

今回のまとめです。

  • 公正証書とは、法律の専門家である公証人が法律に従って作成する契約書。高い信頼性があり、強制執行できることが特徴。
  • 養育費の公正証書作成は、一般的に男性側にメリットはない。しかし相手に守ってもらいたいことを記載できるならメリットはある。
  • 公正証書を作成しなければならない場合は、納得できない内容には安易に同意しない。公正証書は当事者の合意なく作成できない。
  • 公正証書作成の費用は目的価額によって定められている。

 

今回は養育費と公正証書について詳しくお伝えしました。

公正証書は合意の証なので、どちらか一方に有利な内容で合意できるはずはありません。

また「強制執行するぞ」と脅すためのものではなく、そうならないようにするためのものです。

 

つまり、公正証書を作るには当事者同士が冷静に話し合うことが何よりも重要になります。

特に養育費をはじめ子どもに関することは、感情に流されず子どもの幸せを第一に考えるべきです。

 

先ほど私は「面会交流は子どもの権利で親の義務」とお伝えしました。

これには、あなたが子どもに会いたい時だけでなく「子どもが希望すればあなたには面会する義務がある」という意味も含まれています。

子供に会えなくなると心配している今のあなたには想像できないかもしれませんが、再婚などある日を境にぱったりと父親が会いに来なくなることも、世の中では実際におきています。

その時の子どもの気持ちを考えてみたことはありますか?

 

子どもを悲しませないために親にしかできないことがあるはずです。

もしパートナーが感情的になっているなら、父親のあなたが冷静になって子どもを守るべきです。

それが父親の責任ではないでしょうか。

 

また、パートナーから「公正証書を作りたい」と申し出があったならチャンスと考えましょう。

それまで話し合いたくても彼女に拒否されてきたなら、顔を合わせて話し合える絶好の機会です。

離婚回避を叶えるには、あなたの後悔と反省、未来に向けての決意を彼女に伝える・・・必要があります。

あなたの心の中だけにとどめていては、何も始まらないのです。

 

大切な人との関係は、よく「糸」にたとえられます。

「運命の糸」

「赤い糸」

聞いたことがありますよね。

あなたと彼女をつなぐ糸は、摩擦ですり減って今にも切れてしまいそうなのかもしれません。

彼女と話すらできない状況なら「もう切れちゃってるよ・・・」と、あなたは絶望に近い心境かもしれません。

 

 

私の友人に編み物を趣味にしている人がいて(かなり本格的です)、毛糸をつむぐ体験をさせてもらったことがあります。

へたくそな私は途中で糸をちぎってしまい、かなり焦ったのですが、その時友人に言われました。

「毛糸は切れてもつなげることができるのよ。だから大丈夫。」

 

もし切れてしまっても、つなげようとすればつなげることができる、それが「糸」です。

人との関係もきっと同じです。

たぐり寄せれば、きっとまたつながることができます。

 

大切なのは、「つながろうとする心」です。

 

「つながろうとする心」はあなただけではなく、彼女にも必要です。

あなた一人だけでは糸をつなげることはできません。

消えてしまいそうなその心を彼女に取り戻してもらうには、彼女の気持ちを尊重しつつ、あなたの想いも丁寧に伝えていくしかありません。

 

未来を家族と共に生きられるかどうかは、あなた自身にかかっています。

私は、あなたと彼女をつなぐ糸に不格好な結び目ができたとしても、返ってそれを羨ましいと思います。

なぜなら、元夫は私の気持ちなどまったくお構いなしで、後悔も反省もありませんでしたから。

 

もう一度パートナーとつながりたい気持ちを、どうか大切にしてください。

あなたの希望する未来に向かって、慎重に、だけど真っすぐに進んでほしいと思います。

 

 

ところで、あなたには「扶養家族」がいますか?

扶養家族がいる方は、扶養控除を受けて税金が安くなっていますよね。

では、もし離婚して養育費を支払うことになったら扶養控除は適用されるのでしょうか?

子どもと一緒に住んでいなくても大丈夫かどうか、気になりますよね?

次回は、養育費を支払っていると税金が安くなるのかどうかについてお伝えします。

養育費を払っていると税金が安くなる?控除対象になる可能性は?

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

追伸

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